まんだらや関西

今から約１２３０年ほど前のこと、
土佐の国、山北村の谷間に、
夜な夜な村中に響き渡る鳴動と、
不思議な光を放つ一本の木がありました

その光は遥か遠くまで届き、村人は国の慶びの象徴では
ないかと噂するようになります
その噂はほどなく時の聖武天皇の耳にも届き、
高僧で高名の行基（菩薩）に調査を命じます

すると、その不思議な木は大きなカシワの老木（霊木）でした
聖武天皇は、行基にその木で十一面観音菩薩を彫刻し、
鎮護国家を祈願すべくお寺を建立するよう勅命を出します

そうして不思議な霊木は観音仏として生まれ変わり、
千年以上に亘り、この国や土佐の地を護る大きなお役目を
果たしてきました

この一本のカシワの大木の枝から、両部の大日如来も
彫像されたとも言われています

もともと国宝でしたが、現在は国の重要文化財となっています

保存管理が脆弱だったことで平成２４年に仏像４体の盗難に遭い、
後に奇蹟的に戻ってきましたが、この事がきっかけで、
大切な文化財を保護しようという機運が高まりました

そんな中、文化財保護の想いを行動に移すべく立ち上がった
草の根の活動グループ「蓮の音」の皆さんの呼びかけに、
多くの賛同者や行政が協力し、一昨年の平成２５年２月に、
チャリティーコンサートが催され、縁あって拙僧も出演で
お手伝いする運びとなりました

→　こちらを参考

現在は皆さんの文化財保護活動が実り、しっかりとした
セキュリティも導入され、息吹を吹き返した趣のある
素敵な観音堂に生まれ変わりました

裏山には無人の権現神社のお堂があり素戔嗚尊がお祀り
されています

そして毘沙門天は素戔嗚尊の化身との説もあります

そのようなご縁で、再びご住職よりお声掛けを頂き、
恵日寺にて拙僧が護摩祈祷を修法させて頂くことと
相成りました

由縁からも、元来、国家の鎮護、平安をお祈りする官寺
のような役割を担っていた模様です

場所も南海を見下ろす金剛山（三宝山）と呼ばれる山容に位置し、
今後危惧される南海沖地震に対する地鎮の祈願としても重要な
お役目がありそうです

観音経偈の一文に
「恵日破諸闇　能伏災風火
（えにちはしょあん　のうぶくさいふうか）」
とありますが、

その「恵日」が寺名になっています

念彼観音力（ねんぴかんのんりき）・・・

観音の名を心に念じれば、
真実の知恵のひかり”恵日”が諸々の闇を破ります

また、ご本尊の十一面観音の誓願は

「天下泰平」「万民快楽（けらく）」「厄難退散」
「諸善増長（しょぜんぞうちょう）」

です

このように恵日寺は、「蓮の音」の皆さんをはじめ、
大切に想いを馳せる方々のご尽力により、 少しずつ
再興の道を歩み始めています

歴史の波に揉まれ、かつて存在していたはずの護摩炉も
現在はありません

護摩壇としての形跡があるため、かつては修法されていた
ものと思われますが、今回工夫をし、少なくとも何十年
振りになるのかはっきりとは分かりませんが、 護摩祈祷を
再現する運びとなりました

権現神社も同じ敷地でお祀りされているため、
神仏習合の息災護摩祈願を予定しております

共にご祈願頂ける方、応援頂ける方は
３月２９日（日）１４：００～
恵日寺　観音堂に是非お越しください