◆六大燈とは
真言宗の宗祖、空海(弘法大師)が日本に持ち帰ってきて完成した密教の世界観です。
世界を構成している要素に関し、
インドや西欧では「地・水・火・風」の四つの力で四大(しだい)だと考えました。
東洋ではさらに「空」が加わり五大と考えました。
中国では「木・火・土・金・水」の五行とする考えも一般的です。
密教では、「地・水・火・風・空」に「識」を加えた「六大」としました。
「地・水・火・風・空」
は物質的な要素、
「識」
は精神的な要素と考え、
この世界、森羅万象、つまり宇宙・自然・さらには人間にも共通する普遍的な
構成要素としてこの六大をとらえています。
でもこの六つの構成要素はそれぞれ分離して別々に存在せず、融通無礙(ゆうづうむげ)に
相互に働きあう不可分な状態にあると考えます。
このように深く結ばれた状態を瑜伽(ヨーガ)と言います。
「六大無礙常瑜伽」六大は無礙にして常に瑜伽なり
宇宙の実相(真実のすがた)とは”六大(物質と精神)の融合体”であるというわけです。
「燈」はあかり、燈(灯)明を意味しており、
六大の世界に導きの明かりを灯していきたい、そんな願いが込められています。